Musk vs Altmanの権力争いと、Oracleのリストラ、そしてAIインフラの現実
トライアルの2週目、OpenAIのGreg Brockman氏が証言台に立った。Elon Musk氏が非営利の枠組みから脱し、独裁的な支配権を握るための「株式会社」設立を強く主張していたと明らかになった。
2017年の会議での出来事だ。Musk氏が怒り出し、Teslaの絵画を持ち出して席を立った。これは少し笑えてしまうが、AGI開発をめぐる権限争いの始まりだった。Brockman氏は「絶対的な支配権」を拒否せざるを得なかった。汎用人工知能を開発する上で、意思決定の主体が誰になるかは、プロダクトの方向性を左右するからだ。
さらにZilis氏が証言し、Musk氏がAltman氏をTeslaに引き抜こうとしていたとも明らかになった。トライアル直前のメッセージで「君たちがアメリカで一番嫌われる男になるぞ」と送ってきたという。これは単なる創業者間の揉め事ではなく、OpenAIの将来、ひいてはAI業界の構造を変える争いだ。
非営利から営利への転換期は、多くの組織で起こりうる。資金を集めるために組織形態を変える時、創業者の間でどれだけの権限を分けるかが、後の成功を左右する。この件は、技術の進化よりも「人間の政治」がどう作用するかを見せているようだ。
【ソース 2】Laid-off Oracle workers tried to negotiate better severance. Oracle said no. 3月31日にOracleが2万〜3万人規模のリストラを実施した件は、現場エンジニアにとって身近な恐怖だったようだ。「VPNにアクセスしようとしたら弾かれた」という体験談は、アカウントが無効化される瞬間の衝撃をよく表している。
しかし、このリストラの最大の痛みは給与そのものというよりは、株式報酬の取り扱いにある。解約日までにRSUが実行されなければ没収される。ある長期勤務者は、70%が株式で構成される給与のうち、4ヶ月後に実行されるはずだった100万ドル分を失ったそうだ。これは給与が減るだけでなく、長年積み上げたリスクヘッジが無になることを意味する。
一方で、従業員側はMetaやMicrosoftといった競合他社の条件と比較し、改善を求めて署名運動を展開した。現場としては「AI投資の名目で人を切るなら、より良い条件を提示してほしい」というのは当然の要求だ。それに対しOracleは「取引か、なし」と明確に拒否した。
クラウドフレアなどが採用した株式の加速実行や、Microsoftの長期保障など、他社が採用した柔軟な対応をOracleが選ばなかったことは、経営判断としての強さもあれば、それに対する現場からの不信感も生んでいる。マイクロサービスを組むときもそうだが、依存先が予測不能な挙動をとると厄介だ。雇用情勢が逆転した瞬間に、どれだけのリスクヘッジが有効かを改めて実感させられた。
【ソース 3】All the latest updates on AI data centers AIの夢と、現実のインフラ問題が衝突している。サーバーを積み上げるだけじゃ済まない世界が来たな。
43%のアメリカ人が電気代の高騰をデータセンターのせいにしているというPew Research Centerの調査を見て、納得感はある。自分がKubernetesのクラスタをスケールさせたり、Terraformでインフラを拡張する時、まず気にするのは「コスト」だ。それが物理的な「電力」に直結する。ユタ州で承認された40,000エーカーの巨大データセンター計画は、9ギガワットの電力を使うと報じられている。それを超える電力を使う州なんて珍しい。インフラエンジニアとして、まず「そもそも電力は足りているのか?」と疑うフェーズに来ているんだ。
政治的な動きも活発だ。ウォーレン上院議員とホーリー上院議員が、エネルギー情報管理局(EIA)に対して「強制年次報告」を求めている。これは自分たちの業務でCopilotを使うように、AIの電力使用量をちゃんと把握しておかないと、将来的に「電力不足でサービスが止まる」リスクが高まるからだろう。データセンターのエネルギー使用量を可視化することは、CI/CDパイプラインの監視と同じ感覚で重要だ。もし自分のチームがこれに対応するなら、まずは現状把握から始めるはずだ。
ミスチルのデータセンターが環境問題を起こしているというNAACPの訴訟も気になる。コードレビューでバグを潰すように、環境への影響もちゃんとチェックしないといけない。ArmがMeta向けに自社製CPUを開発するという話も興味深い。NVIDIAやAMDに頼りきりではない世界が来るのかもしれない。でも、やっぱり今はAPIやクラウドサービスに頼るのが現実的かな。技術そのものより「それで何が解決するか」が大事だから、データセンターの話はエネルギー問題の解決に繋がるのかどうかが鍵だ。